f/q交換日記
25日にトロントに着いて、いま到着3日目の朝を迎えたところ。こっちは朝の7時です。おはようございます、水上文です。
瀬戸マサキさん、小沼理さん、近藤銀河ちゃんと4人で交換日記をすることになって、意気揚々と一番手を引き受けたはよかったものの、なかなか書くことができないまま日数ばかりが経ってしまい、ほんとうにごめんなさい…もうだめだめすぎて、しょっぱなから謝罪で始まっちゃう。そもそもわたし、日記って続いたことないんだよね。いつも三日坊主。でも交換日記企画にわくわくしてたのはほんとうだし、長く続くといいなと思ってるのもほんとうです。
ではなぜなかなか書けなかったかというと、端的にこの6月はものすごく忙しかったから! 普段のわたしは主に家にいるばかりで、特に変わり映えのない日常を営んでるんだけど、今月ばかりは盛りだくさんだった。
なんと言ってもまず引越し。5年住んだ部屋を引き払って、荷物を実家に運び入れた。本の山にとにかく苦しめられたんだけど、それよりお伝えしたいのは、みんな敷金なし礼金ありの物件に入るのはやめようね…ということ。これはもう声を大にして言いたい。敷金返ってこないかもな〜どころの話ではありませんでした。まじでつらい。せっかくクィア4人の交換日記なのにいきなりクィアでもなんでもなくてごめんだけど、まあこれもリアルだよね。
あと、先月に刊行したわたしの初単著『クィアのカナダ旅行記』に関連するイベントが色々あった月でもありました。5月末に小沼さんともイベントさせてもらったけど(ほんとうにありがとうーー!!)、6月は三鷹のユニテでの岩川ありささんとのイベントや、SPBSでの宮崎智之さんとのイベント、そして新潟の三条市にあるSANJO PUBLISHINGでのあさひさんとのイベントもあった。特集編集を務めた『エトセトラVOL.13』も刊行されて、エトセトラブックスで半日店長を務めたり、ターリの会の方々とイベント「レズビアン・ナイト」をしたりもした。あとレロちゃんと新宿二丁目のどろぶねであやレロバーという名の催しをしたりも。
仕事とは関係なく、東京プライドに顔を出したりもしたし、プライドマンスらしい過ごし方をいっぱいした気がする。とにかくたくさんの人に会い、違う世代、違う場所に生きるクィアの人たちに会って、言葉の定義だけでは決して見えてこない生きた経験、共に活動してきた歴史があるからこその困難さと語りづらさ、あるいは喜びを、たくさん知った。コミュニティの歴史や、違いとそれでも存在する共通の基盤のようなものを感じる月だった。
ただ、個人的にはすごくエンパワーされたし、ほんとうに大事なことをたくさん学べた一ヶ月だったと思うけど、とはいえそのすばらしさは良いことばかりでもないよなあと思う。だって結局コミュニティが、つながる必要性が生じるのって、差別があるからだから。脅かされているから、バラバラのままでは吹き飛ばされてしまうから、つながる必要がある。コミュニティのすばらしさは抵抗の力強さであり、それは差別の嵐の強さを物語ってもいる。
昨日は2年ぶりにトロントのトランスマーチに行って、改めてそんなことを思ったりもした。ものすごく大勢の人がいてものすごく政治的なプロテストとしてのプライドで、ほんとうにすばらしかったのだけど、トランスマーチがすばらしいのは、いちばん攻撃されていて、いちばんプロテストする必要がある人たちがやっているからだよね。と、いうところで今回はいったん筆をおきます。またトランスマーチを含むプライドのことは改めてしっかりどこかで書きたいし、今はまだ消化しきれてないこともたくさんあるから。ちなみに今日はダイクマーチ。バイクに乗ったダイクを見てくるね!